巻頭には「使徒パウロガラテヤ人におくれる書」とある。
翻訳委員社中すなわち新約聖書翻訳委員会は、第一回宣教師会議(1872)の決議にしたがい、正式には1874年3月25日、アメリカ・オランダ改革派教会のS・R・ブラウン(Samuel R.Brown、委員長)、アメリカ長老教会のヘボン(James C.Hepburn)、アメリカン・ボードのグリーン(Daniel C.Greene)、アメリカ・メソジスト監督教会のマクレー(Robert S.Maclay)により発足。のちアメリカ・バプテスト教会のN・ブラウン(Nathan Brown)らが参加、奥野昌綱、松山高吉、高橋五郎らが協力した。本書はS・R・ブラウンが訳し、委員会の検討をへて1877年に刊行。海老沢文庫本にみられる虫食い箇所を類書で補えば次の通り。「栄光"えいくわう"かれに帰"き"してよゝにいたれ」(1-5)、「めぐみをもてなんぢらを召"めし"たるものを」(1-6)、「国人"わがくにびと"のうち」(1-14)。同年の北英国聖書会社(National Society of Scotland)版もある。