- 複製本:[貴重圖書影本刊行會], [1938.8] 綴葉装, 木箱入;
- 別冊:伊達家本古今和歌集解説 / 山岸徳平
古今和歌集巻第一:春哥上
ふるとしに春たちける日よめる
在原元方
としのうちに春はきにけりひとゝせをこそとやいはむことしとやいはむ
はるたちける日よめる
紀貫之
袖ひちてむすひし水のこほれるを春立けふの風やとく覧
題しらす
よみ人しらす
春霞たてるやいつこみよしのゝよしのゝ山に雪はふりつゝ
二条のきさきのはるのはしめの御うた
二条のきさき
雪の内に春はきにけりうくひすのこほれる涙今やとく覧
題しらす
よみ人しらす
梅かえにきゐるうくひすはるかけてなけともいまた雪はふりつゝ
雪の木にふりかゝれるをよめる
素性法師
春たては花とや見らむ白雪のかゝれる枝にうくひすそなく
題しらす
よみ人しらす
心さしふかくそめてし折けれはきえあへぬ雪の花と見ゆらむ
ある人のいはくさきのおほきおほいまうちきみの哥也