-
(トーマス・ロックリー、東京書籍2019)
海外を知る前に、まず知っておくべき日本のこと
海外の友人に日本のことを質問されたときに、あなたは的確に答えられますか?
外国人目線での「よくある日本の疑問」を、具体的なフレーズを提示しながら紹介している一冊。
英語は高校レベルの簡単なもので読みやすく、日本の雑学も沢山。
留学する前や留学生の友人ができたとき、あなた自身が日本について知りたいときの読み物としていかがでしょうか。
-
(水口拓寿・胎中千鶴編、風響社2012)
研究のために留学する
手に取りやすいブックレット形式で、5人の研究者の研究留学の経験が収録されている。「研究のために留学する」学生は減少しつつあるというが、それぞれの研究者が留学先で研究テーマや調査手法に葛藤を抱えながらもなんとか研究を行い、業績につなげていくリアルな姿が描かれている。修士や博士課程での留学が主だが、誰もが最初からすらすらと論文を書けるわけではないということが、研究に悩むすべての人にとっての救いになるかもしれない。
-
(エリン・メイヤー著、樋口武志訳、英治出版2015)
語学力より不可欠なものは、「異文化理解力」だ
グローバル時代に最も求められる力は、語学力よりも、「異文化理解力」である。異文化体験を通じてこれを身につけ、磨くのは留学の目的の一つだろう。本書は、「カルチャー・マップ」と多くの実例を用い、文化の違いが生まれやすい「8つのマネジメント領域」に沿って「異文化理解力」を解説している。他者とコミュニケーションを取る上で考慮すべき点、多様性が溢れる今の時代に必要な物事の捉え方や認識の仕方を教えてくれる。本書を読むことで、「異文化理解力」を事前に知ることができ、これからの留学生活に役に立つでしょう。
-
(加賀美雅弘・川手圭一・久邇良子(共著)、学文社2014年)
ヨーロッパに行く前に
ヨーロッパとは何か?法律や政治制度など、現代の社会生活における多くの要素がヨーロッパ由来であることはよく知られている。まさにヨーロッパの国々へと留学に飛び立つあなたも、「ヨーロッパとは何か?」というありきたりではあるが深い問題を抱いているかもしれない。本書は地理・歴史・政治の三つの観点から現代ヨーロッパを説明しており、読みやすい解説書となっている。本書は、あなたにとってのヨーロッパへの旅の良い導入本となるだろう。
-
(坪井秀人・瀧井一博他編、臨川書店2020年)
グローバルとは何かを考える
〈国際〉とグローバルの言葉の差異を意識しないまま用いていないか、と疑問を投げかける本書は、まず、前者を国家の間をつなぐという言葉として、後者を国境線を超えるかたちで資本や人間が流通し移動する世界を言い表す言葉として定義する。本書は、主に後者の視線から人文学と日本研究を捉え返し、移民、交易、越境、翻訳、植民地、異文化というキーワードを並べ、「世界」の捉え方を探求する一冊である。留学をする前に、本書を通して、境界線を押し広げる想像力を養い、認識の枠組みを再設定してはどうだろうか?
-
(岩渕功一編著、青弓社2021年)
留学を機に考える「ちがい」に出会うことと多様性について考えること
この本は、多文化共生、LGBT、ジェンダーなどの多様性についての政策が持つ問題点を批判的に検討し、異なる他者とつながる可能性について考えています。多様性のある社会とは何か考える機会を与えてくれます。
留学では、否が応でも異なる文化や他者と出会い、ともに生活することになります。それは多様性への問いや実践でもあります。そう考えると、留学で出会う「ちがい」は、もっと身近な「ちがい」と近いのかもしれません。この本はそんな多様性への気づきや変化のきっかけになるはずです。
-
(新城道彦・浅羽祐樹・金香男・青木育美、有斐閣2019年)
韓国に行く前に、韓国を理解しよう
韓国の歴史や政治、社会、文化にまつわる多面的な最新の知識が圧縮されており、韓国を知るための最初の一冊としてちょうど良い本だと思います。各パートの内容は充実しているし、各章末にあるコラムが特に面白いです。日本と韓国をめぐる諸々の情報、知識が錯綜している中で、韓国の諸相についてバランスよく知識を積み、理解を深めておくと、より楽しく、有意義な留学生活になるのではないかと思い、お勧めします。
-
(温又柔、白水社2018年)
留学で考える言語や文化の「ちがい」とあいまいさ
この本は、台湾から3歳の時に東京に移り住んだ温又柔さんが、台湾語、中国語、日本語の3つの言語の間で過ごしてきた体験を綴ったエッセイです。留学は、日本語や中国語のような○○語や○○文化を学ぶことが前提です。しかし、温さんによれば、○○語や○○文化どうしの境目は意外とあいまいです。留学は、「ちがい」とともに、あいまいさにも触れる機会かもしれません。温さんの文章は、留学で出会うであろう「ちがい」やあいまいさについて考える準備をさせてくれると思います。
-
(日本比較文学会編、彩流社2011年)
日本文化はどのように読まれるか
日本文学や日本のサブカルチャーがアジア語圏・欧州語圏・英米語圏のそれぞれに向けてどのように発信され、そこでどのように受容されているのかについての論文集です。本書は主に日本文化を扱っている研究書ですが、各言語圏の文化状況のなかで日本文化を常に相対化しようとする視座から論じられており、留学を機に改めて日本と海外の文化的関係を考える際におすすめです。
-
(小熊英二、新曜社1998年)
「日本人」とはなにか
日本から留学に旅立つ。一見、あたりまえのように存在している「日本」だが、いったい「日本」とはどこからどこまでを指しているのだろうか?そして、「日本」の多くの人口を構成していると考えられている「日本人」とは誰のことを指しているのだろうか?「日本」から「外国」や「海外」に留学に行く前に、一度本書を手に取り、「日本」や「日本人」の枠組みを問い直してみることをおすすめしたい。
-
(高野幹生著、東京 : IBCパブリッシング2015年)
留学の前に読むべき一冊
留学をする目的は、語学・異文化の交流や体験など様々であるが、共通する悩みとしては、海外の生活に慣れるかという点です。そのため、留学の経験者からのアドバイスが最も役に立つと思われますが、その一冊としておすすめします。内容としては、留学の様々なプログラムから、経済的費用、全般的な生活を把握することができ、留学の主な目的である、語学力習得に関する貴重な体験談もあるので、ぜひ読んでください。
-
(フランツ・ファノン著、海老坂武・加藤晴久訳、みすず書房1998年)
留学と人種の問題について考える
この本は、フランス領マルティニーク出身の精神科医フランツ・ファノンが、自身の経験してきた人種差別について論じたものです。この本での分析にはファノンがフランス留学で受けた人種差別の経験が深く反映されています。
留学することは多くの他者と出会うことであり、それは人種や民族、国籍といったちがいについて考える機会でもあります。少し読みづらいと思いますが、ファノンの体験や分析は、留学で出会うであろうちがいとともに生きる可能性を考えさせてくれます。
-
(板倉厳一郎、スーザン・K・バートン、小野原教子著、松柏社2008年)
イギリスに行く前に映画を観ながら勉強しよう
イギリスとは不思議な国です。他の国と同様に、イギリスには、日本に住んでいる私たちには馴染みのない社会文化があります。その特殊な社会文化を、映画を観ながら勉強できるのが本書の特徴です。イギリスに旅立つ前に、予習に最適の”イギリス”入門書です!映画好きという方にも是非お勧めします!本書で紹介されている映画のいくつかは、図書館にも所蔵されています。そちらも併せてご利用ください。