-
『知的複眼思考法:誰でも持っている創造力のスイッチ』
苅谷剛彦著、講談社 (2002)
自らの視点からものごとを多角的に捉えて考え抜くことを体得できる一冊
大学での学びは,明らかに高校までの「勉強」とは違う。では,具体的にどう違うのだろうか。本書の主要概念である知的複眼思考法とは,自分自身の視点からものごとを多角的に捉えて考え抜くことである。「人と地域を次代に繋ぐ」コミュニティ政策学科と「人に寄り添い,社会をつくる」福祉学科にとって,まずは自分の頭で考える力を本書を通じて体得することは学びの違いを体感するうえで重要になるだろう。
-
『人文地理学のパースペクティブ』
竹中克行編著、ミネルヴァ書房(2022)
地理学のもつ奥深さに触れることができる1冊
これまでの学生生活の中で地理を学んだ経験はあるものの,大学で地理を学ぶこと,すなわち「地理学」については馴染みのない人が多いだろう。本書は,都市・農村・景観・キャリア・企業立地・都市再生・地域文化・政策・防災などのトピックについて地理学的に考えるとはどういうことか,その視点(パースペクティブ)を提示する。興味のあるテーマだけでも読むことで,暗記の学問ではないことを実感するとともに,地理学のもつ奥深さについても触れることができるだろう。
-
『人口減少社会のデザイン』
広井良典著、東洋経済新報社(2019)
2050年の日本は持続可能なのかという問いに対し、10の論点を提示した1冊
「人口減少社会」は,人文・社会科学にとって共通のキーワードであることは間違いない。果たして,2050年の日本は持続可能なのか?という問いに対し,本書では 10 の論点を提示している。それぞれの専門分野での学びから,どのような答えを導きますか?それとも解なしですか?現代で学ぶ私たちにとって,人口減少という条件の中で,何をどのようにデザインするのか,それはなぜなのかを考えるための必読書 と な ろう 。