Sociology(capacity)

  1. 『移民受け入れと社会的統合のリアリティ : 現代日本における移民の階層的地位と社会学的課題』
    是川夕著、勁草書房(2019)
    日本国内における移民の社会統合モデルの方向性を示す1冊
    現代日本における移民受け入れと社会統合の現状を考察する著作である。本書は、移民が直面する社会経済的地位と階層移動に焦点を当て、日本における不平等な社会構造と統合過程の限界を分析している。多様な事例と理論的な議論を通じて、移民を取り巻く諸課題の複合的な様相を考察し、日本国内における移民の社会統合モデルの方向性を示している。
  2. 『日本型排外主義 : 在特会・外国人参政権・東アジア地政学』
    樋口直人著、名古屋大学出版会(2014)
    日本における排外主義の現状を深く分析している1冊
    この書籍は、日本における排外主義の現状を深く分析している。主に在日特権を許さない市民の会(在特会)の活動を中心に据え、外国人参政権に関する議論と東アジアにおける地政学的文脈を結び付けながら、現代日本社会で排外主義が形成および拡散される過程を体系的に探究している。著者は、多様な事例やデータに基づく鋭い洞察を通じて、日本特有の排外主義(日本型排外主義)が持つ社会的・政治的な意味について考察している。
  3. 『実力も運のうち : 能力主義は正義か?』
    マイケル・サンデル著 ; 鬼澤忍訳、早川書房(2021)
    メリトクラシーの正義とその限界について哲学的に考察
    この書籍は、メリトクラシーの正義とその限界について哲学的に考察している。著者は、現代社会において成功や失敗が個人の能力によるものとされる信念が、どのようにして社会的不平等や倫理的問題を引き起こしているのかを批判的に分析している。運と機会の役割と重要性を照らし出し、公正な社会の実現に向けた新たな正義観を模索している。比較的平易かつ明快な議論を通じて、メリトクラシーを再考する観点を提示している。