18世紀版:ルソー著作全集(全32巻)
タイトル(仏) | Collection complète des œuvres de J.J. Rousseau, citoyen de Geneve | |
タイトル(日) | 18世紀版:ルソー著作全集 | |
責任表示 | J.J. Rousseau | |
著者名典拠 | Rousseau, Jean-Jacques | |
出版年 | [1780-] | |
出版地 | Geneve | |
出版者 | [s.n.] | |
言語 | フランス語 | |
ページ数 | ||
大きさ | 18cm | |
装丁 | 洋装 | |
請求記号 | NDC: 135.34||R 76||1-[31] | |
注記 | VT:Supplément à la collection des œuvres de J.J. Rousseau, citoyen de Geneve VT:Suite de la collection des œuvres de J.J. Rousseau, citoyen de Geneve:Supplément à la collection des œuvres de J.J. Rousseau, citoyen de Geneve VT:Suite de la collection des œuvres de J.J. Rousseau, citoyen de Geneve |
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PDF(一部抜粋) | 18世紀版:ルソー著作全集 t. 1 | |
立教OPAC登録番号 | 52133891~52133922 |
解 説
ルソーが1778年にこの世を去ったとき、今日主要著作の一部と考えられている作品、例えば『告白』、『ルソー、ジャン=ジャックを裁く――対話』、『孤独な散歩者の夢想』といった自伝的著作も、『コルシカ憲法草案』、『ポーランド統治論』といった政治的テクストも刊行されていませんでした。『言語起源論』やさまざまな音楽関連テクスト、植物学関連テクストや文学作品も草稿のまま残されていました。膨大な数の書簡ももちろん、ほとんど出版されていませんでした。
こうして、未刊行作品、更には未完作品までも含むルソー著作集の刊行という壮大な事業が後世に託されたのでした。
著作間の内的関連性を示し、作品に有機的、体系的な姿を与えようとする「全集」という概念が誕生したのは、正にルソーの生きた時代だったとされています。「全集」の編集についての基本原則が何ひとつ確立されていない時代に、編者たちは幾つもの困難に出会いながら作業を進めていきました。
ルソーが決して出版を想定していなかった著作を刊行することは許されるのか。明らかにルソーの名誉とならないと編者たち自身が判断した作品、例えば『告白』や『ルソー、ジャン=ジャックを裁く――対話』までも刊行してしまうべきなのか。ルソーが特別な意味を与えていた「初版本」と、加筆・修正が加えられた草稿のどちらを刊行すべきなのか。ルソーの思想を伝える貴重な資料である書簡は、私的で個人的なものであるにも関わらす、印刷して公表すべきなのか。また、何を、どのような順序で刊行すればよいのか。
こうした数々の困難に直面した18世紀のルソー全集編者が示したひとつの回答が『ルソー著作全集』に他なりません。それはルソー受容史における決定的出来事であるだけでなく、今日わたしたちが自明と考えている編集方針(年代順/主題別、作品/資料・書簡)が、あくまでひとつの「解決法」に過ぎないことを示してくれています。(桑瀬 章二郎・本学教授)