ボーモンへの手紙
タイトル(仏) | A Christophe de Beaumont, Archevêque de Paris, Duc de S. Cloud, Pair de France, Commandeur de l'Ordre du Saint Esprit, Proviseur de Sorbonne, &c ; avec sa lettre au Conseil de Genève | |
タイトル(日) | ボーモンへの手紙 | |
責任表示 | Jean Jacques Rousseau | |
著者名典拠 | Rousseau, Jean-Jacques | |
出版年 | [1763] | |
出版地 | Amsterdam | |
出版者 | Marc Michel Rey | |
言語 | フランス語 | |
ページ数 | xl, 125 [i.e. 129] p. | |
大きさ | 23cm | |
装丁 | 洋装 | |
請求記号 | NDC:135.34||R 76 | |
注記 | ||
PDF(全文) | ボーモンへの手紙:表紙・本文前 本文後・その他 | |
立教OPAC登録番号 | 52252730 |
解 説
ルソーは自分の主著と信じて疑わなかった『エミール』が断罪されると大きな衝撃を受けます。その断罪の際にパリ大司教の名で出された『教書』に対する反論の書が『パリ大司教クリストフ・ド・ボーモンへの手紙』です。
したがって、この反駁の書は、ルソーの宗教思想を知る上で極めて貴重な作品です。けれども、それ以外にも幾つもの重要な主題が組み込まれています。
そのひとつに、自分の作品をどう読むべきか、つまり、自分の作品の正しい読解とは何かについて、徹底的に考察している点があります。複雑で難解なルソー作品をどう読めばよいのか。この探求は晩年まで続き、『ルソー、ジャン=ジャックを裁く――対話』で頂点に達します。
20世紀のルソー解釈の記念碑のひとつにエルンスト・カッシーラーの『ジャン・ジャック・ルソー問題』という短い論文があります。これは正にルソーが示した通りに、ルソーの立てた道標を頼りに、作品全体を読もうとする試みでした。こうした試みは多くの解釈者に受け継がれ、現在でも影響力を持っています。
ルソーは、自分の後世の運命まで、ある程度まで規定してしまった特異な思想家だったといえるかもしれません。(桑瀬 章二郎・本学教授)