経営学専攻LAのおすすめ本

  1. 『リサーチのはじめかた : 「きみの問い」を見つけ、育て、伝える方法』
    トーマス・S・マラニー, クリストファー・レア著 ; 安原和見訳、筑摩書房 (2023)
    思考の解像度を上げたいすべての人におすすめの思考トレーニング
    研究って、偉い学者だけの特権だと思っていないだろうか。本書はその幻想を壊し、「問い」はごく私的なモヤモヤから始まると教えてくれる。著者は、日常の違和感をどう言語化し、先行研究と接続し、他人に伝わるストーリーへと育てるかを、ワークショップのように具体的に示す。重要なのは、最初から「正しい答え」を狙うことではなく、自分だけの良質な問いを更新し続けるプロセスだというメッセージだ。研究を仕事にしない人にも、思考の解像度を上げたいすべての人に効く、一冊の思考トレーニングである。
  2. 『HIDDEN POTENTIAL : 可能性の科学 : あなたの限界は、まだ先にある』
    アダム・グラント著 ; 楠木建監訳、三笠書房(2025)
    どんな環境と戦略が人のポテンシャルを引き出すのかを心理学と豊富な事例で解きほぐした一冊
    「努力すれば報われる」という物語はもう古い、と本書は言う。才能でも根性でもなく、どんな環境と戦略が人のポテンシャルを引き出すのかを、心理学と豊富な事例で解きほぐす。早く伸びた人より、遠くまで伸びる人は何が違うのか。失敗をどう再解釈すれば、次の試行が統計的に有利になるのか。読者は、自分の成長曲線を「固定された能力」から「設計可能なプロジェクト」へと見直すことになる。キャリアに悩む社会人にも 、伸び悩む学生にも、かなり現実的な希望をくれる一冊だ。
  3. 『サピエンス全史 : 文明の構造と人類の幸福』
    ユヴァル・ノア・ハラリ著 ; 柴田裕之訳、河出書房新社(2016)
    「人類史」に対する見方が大きく更新される一冊
    ホモ・サピエンスは、なぜ他の動物ではなく世界を支配するに至ったのか。本書は七万年の人類史を、遺伝子でも偉人列伝でもなく「物語の力」と「制度のデザイン」で読み解いていく。宗教、国家、会社、お金──私たちが当然だと思っている仕組みが、どれも集団妄想にすぎないと気づいたとき、歴史は一気に現在の問題集に変わる。農業革命は本当に人類を幸福にしたのか、資本主義はいつまで持つのか。ページを閉じるころには、「人類史」という巨大なデータセットに対する見方が大きく更新されているはずだ。
  4. 『人間のネットワーク』(Nexus : 情報の人類史 ; 上)
    ユヴァル・ノア・ハラリ著 ; 柴田裕之訳、河出書房新社(2025)
    情報ネットワークの変化が権力構造と個人の自由をどう書き換えてきたかを大きなスケールで描き出す
    人類史を動かしてきた主役は、王でも軍隊でもなく「情報」だった――本書はそう宣言する。文字の発明から印刷術、電信、インターネット、そしてアルゴリズムとSNSまで、情報ネットワークの変化が権力構造と個人の自由をどう書き換えてきたかを、ハラリらしい大きなスケールで描き出す。面白いのは、技術の進歩が必ずしも民主主義や真実の勝利を保証しない、という冷静な指摘だ。情報を操る側と流される側、その分岐点に私たちは今、立たされている。