Imperial songs 『御歌』
タイトル | Imperial songs : poems by T.M. the Emperor and Empress of Japan, and other Imperial and distinguished personages | |
タイトル(日) | 御歌 | |
責任表示 | translated by A. Lloyd | |
著者名典拠 | Lloyd, Arthur | |
出版年 | 1904 [明治37] | |
出版地 | Tokyo | |
出版者 | [S.l.] : [s.n.] Printed at the Rikkyo Gakuin Press(立教学院活版部) |
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言語 | 英語,日本語 | |
ページ数 | vi, 159 p | |
大きさ | 29 cm | |
装丁 | 和装本 | |
請求記号 | NDC:911.167||L 76 | |
注記 | Japanese text and English translation on opposite pages | |
Imperial songs | ||
立教OPAC登録番号 | 52171376 | |
NCID | BA4102008X |
解 説
明治天皇はじめ皇族、華族の和歌を英訳したもの。序文で、ロイドは和歌の歴史と文化について、6世紀の仏教伝来によって盛んになったと「和讃」「枕詞」などの日本語を交えて解説しています。三十一文字と、英詩にくらべて短い短歌には、日本画と同じく省略の妙がみられること、鶴亀などの吉祥図を共有しない英語への翻訳は困難であること、などと述べています。
ロイドがこのような難業に挑んだ背景には、日露戦争という国難に際し、皇族の和歌を英訳し、表紙に菊の紋章をあしらった和綴じの豪華本として出版販売することにより、慈善事業の一助となればとの発想があったようですが、実際には日本への理解を得ようと、海外の王室などに贈られた模様です(本学所蔵の資料にはデンマーク王女アレキサンドラの蔵書票貼付有)。
謝辞にある「バロン・タカサキ」こと御歌所長をつとめた男爵高崎正風との親交がこのような豪華本の出版を可能にしたのでしょう。皇室をたたえながらも「皇国に及ぶ全能の神の祝福」、「神につかわされてこの国に驚異的な文明開化をもたらした善き人たち」すなわちキリスト教宣教師の功績への言及がある興味深い序文です。新年歌会始の天皇・皇后、皇族の歌に始まり、天皇・皇后が折に触れ詠んだ歌、宮中女官の歌、御歌所長高崎正風の歌などが英訳されていますが、日露戦争に因むものも多いようです。