地方古文書 凡例〈見出しの解説〉

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文書番号

一、  文書一点に番号を一つ付し、複数あるときはその右側に枝番号を置いた。

表題

一、  文書の表題をそのまま記した。「覚」、「一札之事」、「乍恐以書付申上候」等、これだけでは内容が判らないものは、( )をもって簡単な内容を記した。
一、  表題が全く判らない場合も、( )をもって簡単な内容を記した。
一、  文書の破損、汚損等で欠けている場合は、「前欠」、「後欠」と示した。
一、  可能な限り原本のままの漢字を採用したが、異体字(本字、古字、俗字、略字等)は正字をもって示した。
一、  判読不能の文字は、その字数を 口 をもって示した。又、破損、汚損、等で解読不能でも、明らかに文字が解明できる場合は、〔 〕の中に該当文字を入れた。
一、  木板刷の他に、主に幕末、近代以降の文書には印刷物がある。木版・蒟蒻版等の印刷物には(刷)と示した。

年号

一、  元号年と十二支と月日を簡略化して記した。数字のみの場合は月日を表す。

作成

一、 その文書の作成者又は場所。

宛所

一、 その文書の請取人又は場所等。

形態

一、 一般的にいわゆる古文書学上の形態呼称はあるが、近世の古文書では範疇外の形態もあるため、ここでは文書の形を次のように設定した。

  • 冊子 = 半紙を竪に折り袋状にし、二枚以上の紙を綴じ紐で綴じたもの。 竪帳といわれる。
  • 長帳 = 半紙を横折にして綴じたもの。横折帳といわれる。
  • 半長帳 = 長帳を半分にして綴じたもの。
  • 綴り = 複数の冊子を綴じたもの。又は状や切紙を簡単に綴じたもの。
  •  = 半紙を一枚以上用いた書付。
  • 折紙 = 半紙を横折りにしてた一枚の書付。袋になる部分が下方になる。
  • 切紙 = いかなる大きさでも、半紙を小さく切り書付に用いたもの。
  • 絵図 = 田畑、普請、村並、屋敷図等。
  • 袋・包紙 = 数点の文書を一つの袋や包紙に収めてある場合、その袋や包紙も一点と数え文書番号を付す。又、袋のみの場合もある。この形態は、かつての文書の原蔵者あるいは旧蔵者により整理された場合が多い。
  • 書簡
  • 封筒=書簡の封筒のみ。
  • ハガキ
  • 電報
  •  = 近代以後に多い、統計表、災害状況表など。
  • 札=神社札、会員証等
  • 一括 = 「要用書類<領収書等明治期以降に多い>や「書簡」類は、諸事情により整理に至らない場合があり、未整理のまま一括として処理した。形態が「一括」の場合は、点数は空欄である。

点数

一、  文書の数。文書の内容が同一の場合は、その数を纏めたものもある。

備考

一、文書に関する情報を、必要に応じて記した。「損傷」、「甚痛」とは、汚損や破損などにより痛みが激しく、取扱に注意を要する意味である。
一、「袋」とは、その文書の点数として数えない場合に、本欄に示した。
一、「包紙」とは、その文書の点数として数えない場合に、本欄に示した。
一、「結文書」とは、帳面の綴じ紐(こより)に結びつけられた状形態の文書。整理の過程で、点数として数えた場合もある。
一、「帳くづれ」とは、明らかに冊子や長帳からはずれて、綴じ穴のある文書の一部分。

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