はじめに

 古地図は、見る人の想像をかき立てます。現在と比較ができるような、自らに関わりが深い場所の地図ならば、なおさらです。じっと見ていると、地図に吸い込まれてしまうような錯覚すら覚えてしまいます。

 2018年度、立教大学は築地から池袋にキャンパスを移転して100周年を迎えまし
た(*)。 それに併せ図書館では、立教の「場所」が明示されている古地図を数点購入するとともに、その地図をアーカイブし公開することとしました。立教の所在と移転、変化していった環境など、その「時代」と「場所」が、見る人の想像をかき立てることでしょう。地図上に記された立教の文字から、往時をしのび、立教大学の歴史を感じて頂ければ幸いです。

 

*2018年度、池袋図書館では100周年記念事業に併せて、「 <立教大学池袋キャンパス・図書館百周年記念展示>『スパックマン・オーヴァトン文書』・『武藤重勝史料』・『図書館旧事務用品史料』展」を開催しました。こちらもご覧ください。

 

 古地図からみる立教の歴史


明 治
・1874年(明治 7年) ウィリアムズ主教により、東京築地の外国人居留地に私塾を開校
・1907年(明治40年) タッカー学院総理のもと、専門学校令により「立教大学」として発足 東京市十五區全圖東京市十五區全圖(裳華房1907.4)
明石町に「立教中学」「聖路加」「立教女学校」が確認できる
・1918年(大正 7年) 大学を池袋に移転
昭和(戦前)

・1932年(昭和7年) 10月1日
旧巣鴨町・西巣鴨町・高田町・長崎町の4町が合併し豊島区が誕生

大東京最新明細地圖
大東京最新明細地圖:隣接町村合併記念(東亰日日新聞發行所1932.12)
現在の北校地、立教池袋中学・高等学校は「神学校(聖公会神学院)、5号館は公立の小学校の敷地である

・1941年(昭和16年) 太平洋戦争開戦

最新大東京明細地圖
最新大東京明細地圖(日本統制地圖1941.11)
昭和(戦後)

・1945年(昭和20年) 太平洋戦争終戦

戰災燒失區域表示帝都近傍圖
戰災燒失區域表示帝都近傍圖(日本地圖1946.2)
キャンパスの一部が戦災による焼失から免れていることが判る
大東京區分圖(豐島區詳細圖)
大東京區分圖(豐島區詳細圖)(日本地圖1947.2)

・1965年(昭和40年) 東京オリンピック

東京都區分詳細圖
東京都區分詳細圖(日地出版1960)
・1990年 新座キャンパス開校 日本地図センター:地図で見る東京の変遷(平成改訂版)Ⅳ

国土地理院発行:5万分1地形図【日本地図センター:地図で見る東京の変遷(平成改訂版)Ⅳ】を掲載
1995(平成7年)頃より(現新座キャンパス付近)

現新座キャンパスには校舎が確認できるが、まだ学部が設置される以前であるためか、大学名がない。地図記号も立教高等学校(現「立教池袋中学・高等学校」)に対する○に文の記号のみである。

・現在の池袋キャンパス

国土地理院:電子地形図25000
国土地理院:電子地形図25000を掲載