明治大正期のルソーの翻訳書 - Q&A

Q.1 唱歌『むすんでひらいて』は、ルソーが作曲した?
Q.2 ルソーの両親は?
Q.3 ルソーの著作は?
Q.4 ルソーの晩年は?
Q.5 ルソーの名言は?

Q.1 唱歌『むすんでひらいて』は、ルソーが作曲した?

 『むすんでひらいて』はルソーが作曲した、と言われていますが、本当でしょうか?ルソー作のオペラ『村の占師』中の旋律がいつしか『むすんでひらいて』の旋律に変化し、『ルソーの夢』と題されていたものが、賛美歌に転用されて各国に広まったのが真相のようです。(参考文献:海老沢敏著『むすんでひらいて考』 岩波書店)

むすんでひらいて考 : ルソーの夢 / 海老沢敏著. -- 岩波書店, 1986.
※海老沢敏氏:元国立音楽大学学長。音楽評論家。

Q.2 ルソーの両親は?

 ルソーは1712年ジュネーブで時計職人の次男として生まれました。母は出生後まもなく死去、父とは10歳の時に離別しました。その後叔父に預けられましたが、16歳の時出奔、放浪生活を始めました。貴族の娘ヴァランス夫人と出会い、その庇護のもとに音楽を習い教養を培いました。

Q.3 ルソーの著作は?

30歳でパリに出て百科全書派のディドロなどと交友しました。37歳のときに、アカデミーの懸賞論文に『学問と芸術』が当選して一躍論壇に衝撃を与えました。その後『人間不平等起原論』『新エロイーズ』『社会契約論』『エミール』などを次々に執筆。その著作は政治制度における自由と平等の確立を説いて後のフランス革命の精神的支柱となり、文芸史的には近代的自我の解放を表現して、近代ロマンティズムの源流としてヘルダー、シラー、ゲーテ、カント、ユゴー、トルストイなどに大きな影響を与えました。

Q.4 ルソーの晩年は?

 後世には多大な評価を得たルソーでしたが、その革新性から当時の仏政府や教会から禁書とされ迫害を受け、ヴォルテールなど他の思想家とも仲違いし、妻テレーズと共に各地を放浪しました。内面を描いた自叙伝『告白』で弾圧に対決もしましたが精神的な平衡も失い、パリの郊外で『孤独な散歩者の夢想』を執筆しつつ1778年67歳で逝去しました。(参考文献:押村襄他著『ルソーとその時代』玉川大学出版部1987など)

Q.5 ルソーの名言は?

「学問と芸術が完成に近づくにつれて、われわれの魂は腐敗した。」(『学問芸術論』第一部)

「子どもというものがわかっていない。子どもについて持っているまちがった観念の道は、進めば進むほど、ますますわき道にそれる。最も分別のある人々は、おとなにとって知る必要のあることに執着して、子どもたちが学べる状態にあるものは何かを考えない。彼らは子どものうちにおとなを求めて、おとなになる前に子どもがどういうものであるかを考えない。」(『エミール』序)

「おのれの自由を放棄することは、人間としての資格、人間の権利を、人間の義務さえも放棄することである。」(『社会契約論』第1編第4章)

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